ロンドンの印象3

ロンドンでの自由行動日。行きたいところは山盛り。
しかし狭いといっても見知らぬ街であるロンドンはわたしたち異国人には広い。
お買い物もしたい。ひとつでもビートルズにゆかりのあるところも尋ねたい。
目星をつけていたのはオックスフォードストリートからちょっと裏にはいったところにある、とガイドブックに書いてあるビートルズショップであるが、無かった。
サビルローに向かい、旧アップルビルへ行く。
すでにアメリカからの観光客が写真撮影中。順番を待って自分も写真を撮る。

 

町並みは整って美しく、公園がとても多い。小さいものから大きなものまで、少しでも場所があれば公園になっている。ユニコーンとライオンの紋章のついた黒いりっぱなゴミ箱がおいてある。
パリでロクシタンの本店に行った時は鼻であしらわれて嫌な思いをしたが、ロンドンでボディショップに入ったときはとても親切にしてもらった。ロクシタンでは石鹸くらいしか買わなかったがボディショップでは日本で売られていないフレーバーのリップバームなどをお土産用にたくさん買った。

イギリスのデパート、セルフリッジに入ってみた。
1階はグランドフロアで2階が1階なのがイギリスの数え方。
大きなデパートでブランドものも置いてあるし、トイレにはつねにトイレ係が常駐していて香水がたくさん並べてある。自分の使っている香水を自由に使って良いのだ。日本のトイレとは違う。
街の中でも女性に近づくとみんな香水をつけている。
そしてセルフリッジは残念ながら伊勢丹や高島屋の足元にも及ばないと思った。
日本のデパートのほうが品物も品揃えもサービスもすべて上だと思う。

次はナイツブリッジのハロッズへ向かう。
途中でカンペールというそのころまだ日本には路面店が少なかった靴屋を見つけ、娘と二人であれこれ試着の上、1足ずつ購入。さらにハロッズで日本の犬友へのお土産用にオリジナルの犬用チョコレートコーティングのビスケットを20箱頼む。ストックをみてもらっても19しか在庫がなく、それをすべて購入する。
お買い物が済むまでこちらで預かってくれると申し出てくれた。
もしまだしばらくホテルに滞在するならホテルに配達してくれるシステムではなかったかしら。
ここで預ければ良かったのだが、他もまわりたいし、またもどるかどうかわからなかったので、19個の犬のビスケットを一日ひきずりながらチェルシーへ行くことになってしまった。


ハロッズのラグジュアリーなトイレは有料
ただしお買い物をしたりお食事をしたりするとこのトイレ使用権利のカードをくれる。
トイレのレディはセルフリッジの方より美しかった。
ハロッズだから?

チェルシーは高級住宅街でおしゃれなお店が点在する。ハロッズからはかなり歩いたが、それもまた楽しかった、19個の犬のビスケットがなければ。
途中、盆栽のように刈り上げた真っ白なスタンプを連れた、これでもかというほどおしゃれなコートを着たご婦人とすれちがった。実は地下鉄の駅のそばでは不思議なこじきの夫人をみたばかりだった。
黒い時代遅れな長袖のドレスにぼろぼろの帽子をかぶり、銀髪を結い上げた、腰のまがった婦人だ。黒い手袋もはめていたが持ち物はぼろぼろの紙袋。一見タイムマシンからでてきた貴族のおばあさんのようにも見えたが、よく見ると服もぼろぼろであった。しかし英国のことだから、きっと手厚く生活保護を受けているのだろうと、勝手に想像する。

イギリスの家はこんな具合にぴっちりとほとんどすきなく建っている。完全にひとつのたてものになっているのはテラスハウスで独立しているものはデタッチドハウスと呼ばれている。もちろん憧れはデタッチドハウスである。屋根の上の煙突の数で暖炉の数がわかるという。それにしてもどの家もみんなすてきで、さすがにお花がよく手入れされている。

結局再びハロッズにもどり、娘のハンドバッグなどを買い、タックスフリーの手続きをして、地下のフードホールへ降りてみた。フードホールの天井のお魚の絵ときたら!!
やっぱりデパートの王様。
地下にはすし屋があって着物を着た日本人がたくさん働いていた。
お惣菜とパンをたくさん買い込み、その夜はホテルで食事をした。