イギリス帰りふたたび
6

 

OxfordとStratford-upon-Avon

すでにストラトフォードアポンエイボンにもオクスフォードにも来たことがあったがどちらもとても好きな街であり、マミコが行って見たいということだったのでもう一度尋ねる事にした。
アン・ハサウェィの生家の見学中にはすでに雨が降り始めており、シェイクスピアの生家にたどり着くころには大雨になり、どこか近くでカミナリも落ちたようだった。とうとう売店に着いたとたんに停電になった。レジが消えているときに暗算でがんばろうとするイギリス人から物を買うのは危険である。



外に出てガイドのシシリアさんに途中で通ったチョコレート工場のおすすめのショップがあると聞いていたので教えてもらう。
前にも書いたがイギリス人はチョコレートが大好きだ。
すてきなパッケージのチョコレートがメインストリートからちょっと裏に入ったところにありわたしたちが買い物をするころには停電も回復していた。
なぜか雨があがると犬たちがぞろぞろと現れる。
ちょうど昼時でもあり、わたしたちも昼食を取った。


これはシシリアさんお勧めのおいしいケーキ屋さん。
マミコとひとつづつケーキを買った。
お茶をする時間はなかったので結局つぶれたケーキをホテルまで持ち帰り、部屋で食べることになったがとてもおいしかった。何より田舎の道の途中にあるケーキ屋さんの雰囲気と壁の絵がとてもすてきだ。自分で尋ねようと思ってももう2度といかれないだろう。


雨後のラブラドール
今回はゴールデンを見かけなかった。

オックスフォードも二度目ではあったが前回とはまた違ったところへとシシリアさんが案内してくれたので楽しかった。
ところでイギリスではガイドさんは上流階級のインテリがするお仕事なのだろうか?
昨日の大阪弁の明るいイギリス人といい、今日の美しい品の良いシシリアさんといい、育ちの良い人としか思えない。
そういえば前回のガイドさんたちもみなケンブリッジ出であったりかなり上流階級の女性であったりした。
しかしシシリアさんはあまり日本語は上手ではなく、英語での説明と補いながらやっと理解できた。
でも一番彼女の説明をわかりにくくしていたのは同乗していたアメリカ人観光客である。
英語の説明の間は静かに聴いているのだが日本語の説明になるとうるさい!!
かってにしゃべりだしてその日は3人しか日本人がいなかったとはいえ、失礼な連中だ。
今なら言える、「I payed for this travel.Be quiet please!!」
この日一日中わたしたち3人の日本人はまとめてわたしの苗字で呼ばれた。


ここは有名な学生食堂。
管理しているおじさんも昔ながらの制服を着ており伝統と格式というのはこのためにある言葉かと思われる。向かって左でヘッドマイクを付けているのがシシリアさん。
この食堂はまたハリー・ポッターのホグワーツ魔法学校の食堂のイメージとしても有名である。まさにこの雰囲気。


この階段の部分はハリー・ポッターの映画の撮影にそのまま使われたところである。
他にも学校の病院として撮影された建物も案内してもらった。
ハリーたちは何回も学校の病院に入っていた。考えてみると危険な学校である。
また、ハーマイオニー役のエマ・ワトソンもオックスフォードに住んでいるそうだ。
最近ではロンドンの中心部に住む人たちがセカンドハウスをこのあたりに持つことが流行らしく、そういう人たちの家やオクスフォードの教授たちの住む大きな家の立つ一角もあった。

ラドクリフカメラは相変わらずそこにあった。
キャンパスにもどってきた学生たちがたくさん集まってきていた。
若い人たちを見ているとまぶしい。
長い足でスポーツタイプの自転車をこぎながら
「Excuse me!!」と通り過ぎていく。
わたしの青春はとっくにexcuseしてしまった。

バスにもどる直前にイギリスに子供を留学させているというマレーシアの女性と知り合い、少し話しができた。長男はすでにイギリスの寄宿学校に通っており次男ももうじき通わせるという。なぜかというとヨーロッパの人たちと話すのに躊躇がなくなるから、だという。
おそらくこのマレーシアの人はリッチなんだろうと思う。
そしてアジア人として堂々と生きていけるように子供をイギリスの学校に送り込む。
彼女にとっても英語は母国語ではないから、お互い気楽に話せた。
とはいえ英語が共通語らしいのでうまさはわたしの比ではない。

 

まだまだ尋ねてみたいところがたくさんあるイギリス。
ライにも行きたい、ランズエンドにも行きたい。
リヴァプールも湖水地方も行きたい。
イギリスだけではなくアイルランドもウェールズもスコットランドも行きたい!!

帰りの飛行機の中で具合が悪くなり、年末の人間ドックで山のように病気が見つかったため、
アップに一年もかかってしまい、今ではこのときの旅行も違ったものに感じられる。
忘れてしまったことも多い。
でもどこかにSindyを亡くした影が覆いかぶさっていたようにも思える。

なぜそこで写真を撮ったのか、思い出せない。
でもイギリスが大好きなことには変わりは無く、英語も引き続き修行中である。

わたしにとって旅は、その土地にいる人たちの世界の見方を知ること。
新しい世界観との出会いこそ、旅である。
また旅行記でお会いしましょう。