犬と猫のためのビタミン基礎知識

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ビタミンの種類
主な働き
欠乏するとどうなるか
供給源
水溶性
   
ビタミンB群
脂質、糖質およびタンパク質がエネルギーに変換されるときに不可欠。ビタミンBは、神経系の適切な機能には重要。疲労しているときには、エネルギーを補給し、神経系をリラックスさせる。
便秘
皮膚炎
神経症状
脱毛
食糞
コレステロール増
後肢の虚弱
免疫系の低下
ノミとその他の寄生虫の寄生
疲労
肉類
臓器(肝臓、腎臓など)卵
牛乳
ビール酵母
全粒穀類
昆布
ビタミンB群には、チアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ナイアシン(ビタミンB3)、
          パントテン酸(ビタミンB5)、ピリドキシン(ビタミンB6)、葉酸、コバラミン
         (ビタミンB12)がある。
ビタミンC
健康な歯、歯肉そして骨に必要。コラーゲンの製造には不可欠で、すべての結合組織を強化する。免疫反応を強化するので、感染症などのときには重要。
尿路と皮膚の感染
膀胱結石
免疫系の低下
柑橘系フルーツ
キャベツ
パセリ
スイカ
トマト
犬と猫では、体内でビタミンCを合成可能ですが、酸化的ストレス(殺虫剤、タバコの煙などの毒素)にさらされると、血中レベルが劇的に減少することが分かっているので添加が必要。
脂溶性
   
ビタミンA

目、食欲、骨、神経系の機能、皮膚、被毛、歯、歯肉、呼吸器障害への抵抗力にとって必要である。健康な目、夜盲症の治療、成長期の歯の形成を促す。組織の修正をし、感染症から保護する働きがあるので、傷害後に重要。

眼疾患
成長阻害
皮膚のびらん
感染に敏感となる
人参
緑黄色野菜
肝臓

乳製品
犬はビタミンAの前駆物質のカロチンを体内で活性ビタミンAに変換できるので、肝油、牛乳、卵黄、肝臓といったビタミンAを含む動物食品を摂取しなくても、植物性食品から供給可能。猫では動物性食品からビタミンAを摂取。過剰なビタミンAは骨格異常や知覚過敏(皮膚の異常な過敏)を引き起こす。
ビタミンD
カルシウムとリンの適切な吸収に必要。甲状腺(カルシウムを調節)の作用を調節。
くる病
骨の異形成
魚(サーモンやいわし)
乳製品
卵黄
肝臓
太陽光線を十分に浴びることで合成可能。
ビタミンE
(トコフェロール)
不飽和脂肪酸、性ホルモン、脂溶性ビタミンの酸化を防止。
老化の遅延。白内障予防。免疫系の強化。
汚染物質とガンから体を防護。
赤血球破壊
筋肉変性
繁殖障害
心臓と循環器障害
レタス
セロリ
緑葉野菜
ブロッコリー
アルファルファ
コーン油
ビタミンK

血液凝固にとって重要。
殺鼠剤によって破壊される。

下痢と結膜炎、
内出血、鼻血などの
出血に関連。
ヨーグルト
アルファルファ
卵黄
紅花油
大豆油
昆布
犬と猫は腸内細菌によってビタミンKの合成が可能。